ジャパンカップ
プレゼンテーションテキスト


日本の禅の書画の中に、円相という、ただ墨で大きく 丸 を
書いただけのものがあります。



世の中の理(ことわり) や、宇宙全体を表現したものと
言われていますが、本当にただの丸なんです

でも、それが修行を積んだお坊さんが書いたりすると、
見る人をひきつけ、価値のあるものになる。

一見シンプルだけど、その中に深みや奥行きのある、
世界観が感じられる。

そんなものをパンで表現したいと僕は思っています。


僕は シンプル イズ ベスト だとは思ってなく、
 芸術品のように きれいでかっこいいものは、
それはそれで素晴らしいと感じる。

 でも シンプルは簡単なようで 非常に難しい。
 僕は その追求に魅せられた。

  僕も 脱サラしてパンの学校にいったり、パン屋の修行中は、
   凝ったり、変なパンもいっぱい考えたんですが、
    結局 シンプルを 深めることを、今は目指しています。



酒種 菓子パン生地

 修行させて頂いたお店のレシピを、色々とブレンドし、
足したり引いたりして、
  今の時点では、これが一番だと思っています。

   オープンからずっと改良して来たので、
また変わるかも知れませんが・・・。


酒種の風味をより出すこと、
糖分が多い生地をどうまとめるか、
味の深みを出すには、

それが課題でした。


 まずルヴァン種と国産小麦で作った液種を
ブレンドすることで、
より粉の味の深みをだす。

 次に、酒種発酵液 をどこで入れるのかを考え、
液種に入れることを思いつきました。

 これにより、より風味が増し、生地によくなじみました。
しかし、ミキシング時は生地がまとまるが、
かなりべたべたで扱いにくくなります。
 そこがこの生地の欠点だとおもいます。



カスター

これは店によって炊き方違ってくる。
しかもかなり感覚によるものが多いので
正しく引き継がれている所は
少ないと思います。

重要なのは炊き加減とタイミング
どこまで炊くか
どこでどの材料を入れるか
どのくらい混ぜるのか、
それで口溶けも風味も全然変わります。

僕はパティシエのスクールに通い、
パティシエに教える先生から
基礎から教わり、それを
修行時代もオープンしてからも
ずっと自分で炊き続けて
それを深めていきました。

レシピ的には
店が「桜道」なので、桜にちなみ、
さくらんぼのリキュールである
キルシュワッサーを入れたら
風味が上品で気に入ったので
仕上げに入れてます。



メロンパン

ビス生地だけのメロンパンで、
飽きないで食べるには、
酒種生地の深さと
 ビス生地のほのかな風味 の深さ
これにこだわりました。


メロン皮には キルシュワッサー を入れ
 カスターと統一感を出しています。
 
 バニラシュガー は、審査後に思いついたのですが、
桜の濃縮エキスも入れています。
  許可は頂いています。



黄金 こがね

商品名についている 黄金(こがね)は
僕のお店の所在地である、
松戸市小金原の
こがね にちなんでいます。
地域発展に貢献できたらと思ってます。



まとめ

 複雑なものの大事さは分かる、 
複雑系という言葉もあるように、
複雑さがあって世界がなりたっています。


でも結局僕は、
 「シンプルが好き」 
の一言に尽きると思います。


華やかな生け花が飾られ並んでいる中で、
 ふと 目に留まる 一輪挿し のような、
そんな空気感 が好きなんです。


最後に。シンプルで、深みのあるパンを
 これからも作り続けていきたいと思います。

 ちょっとでも、このパンで
深みを感じて頂けたら幸いです


ぱん工房桜道 店主 くにはる


トップページに戻る